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麻酔医じゃなくて、麻酔科医?!

 
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先日ブログ読者の方から、グッドなご質問があったので、記事でお答えします

ゆかさん、情報提供ありがとうございます(笑)


Q:前に、何かの本で「麻酔医」と「麻酔科医」は違う、と見た気がするのですが、違いはありますか?
あと、今日、麻酔科お医者さん漫画を読んでいたら、「エッシュマンロッド」の話があって、気管には軟骨があるとあったのですが、喉仏の下を触るとある、細かい目の横縞?がそうですか?

A:前半と後半で分けてお答えします。まず前半ですが、「麻酔医」と「麻酔科医」は同じです。ただし、現在では「麻酔科医」が正しい用語だとされています。後半のご質問ですが・・・そうです!!それが気管です。

以下解説です。

日本の麻酔科の歴史は、1950年(昭和25年)の「日米連合医科教育者協議会」から始まります。

これは、占領軍(GHQ)のアメリカ側からの一方的通達で日本の医学部の教授たちが強制的に集められ、ドイツ帝国主義の影響が強く権威主義的な当時の日本の医学教育を、「民主的」に教育し直すというものだったそうです。

この会議(講義)は約3週間も行われ、「外科」と「麻酔」の2つの部会で構成されており、

当時、独立した「麻酔科」がなかった日本の教授たちはその講義内容に衝撃を受け、

日本も「麻酔」の学問を進歩させなければいけないと考えたそうです。

しかし、外科の傍ら麻酔の研究・教育をするのは難しく、専門家の育成のため、まず1952年(昭和27年)に東京大学に「麻酔学講座」が開講され、日本の近代麻酔の歴史がスタートしました。

ここで「麻酔学講座が開講された」というのは、「麻酔科ができた」という意味だと思ってください。

「麻酔科学講座」ではなく「麻酔学講座」となっているように、日本の学問としての「麻酔」は、「麻酔科学」ではなく「麻酔学」と呼ばれていました。

これは実際の臨床では外科医が麻酔を担当していた事から、独立した「科」としての認識が甘かったせいだと思われます。

しかし、独立した学問として進歩させる上で、「外科」「内科」ときたら「麻酔」じゃなくて「麻酔科」でしょ!!という動きがあり、徐々に「麻酔学」→「麻酔科学」と名称が正しいという認識が広がっています。

結構最近ですが、2001年(平成13年)に「日本麻酔学会」も「日本麻酔科学会」に名称が変更されました。


同様の考え方で、「麻酔医」という言葉には、「麻酔科学」が発展するまえのニュアンス。つまり、独立した「麻酔科学」の専門家というよりも、外科医が麻酔をすることもありますから、外科医を含めた「麻酔担当医」というニュアンスが含まれるんではないでしょうか。

そういう意味で「麻酔医」を嫌がる「麻酔科医」がいることをご承知ください。

(参考文献:「麻酔科学の源流」松本明知 著  真興交易(株)医書出版部)

ちなみに、麻酔を題材にしたマンガ「麻酔科医ハナ」も当初「麻酔医ハナ」だったそうですが、単行本1巻出版時に現在の「麻酔科医」の表記になったそうです。(Wikipedia参照)



後半の気管軟骨の件ですが、「エッシュマンロッド」というのは、「eschmannイントロデューサー」「eschmannのブジー」「ガムエラスティックブジー」と呼ばれるものですね?

実はわからなくて調べました(笑)

これは挿管補助の器具ですね。

気管チューブの入れ替えで同様の器具を使いますね。

硬さと弾力性がある、長さ60cm、外径5mmの棒状の器具で、チューブより先に気管の中に入れておいて、これをガイドワイヤのようにつかってチューブを入れるものです。

喉頭展開(管を入れるべき気管の入り口をパックリみえるようにすること)ができないときや、チューブが声門(気管の入り口)に誘導できない場合、首が動かせない人の挿管の補助に用います。

先に気管(と思われる所)の中にこの棒を差し込むと、気管に入っているときは前面の気管軟骨にこすれてクリック感(コリッコリッみたいな感じ)が得られて「気管に入ってる〜」と、わかるようですね(笑)

挿管補助の器具はたくさん種類があり、最近のものはカメラで直接声門をみながら管を入れられるものも多いため?ボクはこの「eschmannイントロデューサー」という器具は使った事がありません(汗)

麻酔科医としては多くの方法を知っておく方が有利なので、大変勉強になりました!!

・・・で、触れる気管の話ですが、のど仏(甲状軟骨)を触りつつ大体1cm下にいくとへこんでる所があります。これが「輪状甲状靭帯」という所です。そのしたの太めの硬い所が輪状軟骨で、さらにその下のちょっと柔らかめの縞の触れるところが気管です!!強く押すと刺激で咳が出ます(笑)これが胸の中につづいています。


ご質問を下さった、ゆかさん。ありがとうございました!!


 
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tag : なるほど

コメント

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勉強になります

喉触りながら、読みました(笑)!!
咳も出ちゃった(汗)

麻酔科の歴史って、全然知らなかったけれど、やっぱり外科から別れたのですね。外科手術には、麻酔は必要ですからね。

…という事は、外科の先生達は、麻酔科の先生がいらっしゃらなくても手術が出来るように、麻酔のお勉強もされているという事なんでしょうか!?

ためになる

こんにちは。

普段何気なく使っている言葉にも、違いや謂れがあるんですね。
こういうお話もとても参考になります。
専門家ではなくても知識として持っていたほうがいいですよね。

自分の知らない分野のお話もためになります。
これからも時々載せてください。

麻酔

全身麻酔は、未経験ですが勉強になりました~。
2日前に、下半身麻酔で手術をしましたが、もうやりたくないですね(^_^;)
手術中に、「深呼吸をして下さい」と何度も言われたんですが理由が気になります。
のりのり先生に、麻酔をしてもらいたかったですよ。(>_<)

ありがとうございます!

なまらうれしいですありがとうございますー!!
スッキリしました!
なるほど、「科」は「専門」なんですね!
「科」=「プロフェッショナル」
なるほど、それなら「麻酔医」だと嫌な方もいるでしょうね。

そしてやはり、喉仏下の方の縞々が気管でしたか!
や、よくよく考えると、首って結構な太さがありますが、首の骨自体は後ろ側ちょこっとだけじゃないですか。
じゃあ、他は食道と気管と筋肉だとしたら触れるんじゃないか?と思って。
筋肉は首の前面にあんまりなかったはずだと一応本で確かめたんですけど、私のは絵を描くための本なので気管は載っておらず。
触って「これかな?」とは思ったんですが、それ以上探求すると召されると思ったので質問しました(^^;
ありがとうございました!

勉強になりました
喉触りながら、読み…咳も出ちゃぃました(笑)
そこを押して息をはくとゼーってたまに音がするんですが普通なんですか?
前にマネキンに挿管やってみませんかと医師&看護体験型の皆さん、どうぞっていわれましたがさすがに隣の方が狙われました
外科の先生は 麻酔もできるんですか?
オープンキャンパスに行ったときに何故か、その先生に顔と名前を覚えてました 私何かしたのかしら……

はっぱさんへ

>はっぱさん
いつもコメントありがとうございます!!お返事遅くなってごめんなさい!

> 喉触りながら、読みました(笑)!!
> 咳も出ちゃった(汗)

だめですよ〜(汗)強く押したら!!(笑)

> 麻酔科の歴史って、全然知らなかったけれど、やっぱり外科から別れたのですね。外科手術には、麻酔は必要ですからね。
> …という事は、外科の先生達は、麻酔科の先生がいらっしゃらなくても手術が出来るように、麻酔のお勉強もされているという事なんでしょうか!?

外科の先生も麻酔をかける事があるので、勉強されていると思いますよ☆

でも、・・・聞いた事はないので、あんまりわかりません(笑)

だってちょっと聞きずらいですよね?!(笑)

「先生って麻酔の勉強してますか?」とか☆

まみこさんへ

>まみこさん
いつもコメントありがとうございます!!お返事遅れてごめんなさい!

> こんにちは。

こんにちは〜♪

> 普段何気なく使っている言葉にも、違いや謂れがあるんですね。
> こういうお話もとても参考になります。
> 専門家ではなくても知識として持っていたほうがいいですよね。
> 自分の知らない分野のお話もためになります。
> これからも時々載せてください。

そういっていただけると嬉しいです♪ありがとうございます!!

またこういうのやりますね〜☆

ポティトさんへ

>ポティトさん
いつもコメントありがとうございます!!お返事遅れてごめんなさい!

> 全身麻酔は、未経験ですが勉強になりました~。

よかったです♪そういって頂けると嬉しいです☆

> 2日前に、下半身麻酔で手術をしましたが、もうやりたくないですね(^_^;)
> 手術中に、「深呼吸をして下さい」と何度も言われたんですが理由が気になります。
> のりのり先生に、麻酔をしてもらいたかったですよ。(>_<)

お疲れさまでした〜(泣)

手術中に「深呼吸してください」と何度も言われたんですか?!・・・

なんでしょうね。・・・はっきりいってその場にいないとわかりませんが・・・(笑)

鎮静薬で呼吸が弱くなりすぎて声かけされたのかもしれませんね(笑)

そうだとしても、別にトラブルじゃないですからね〜(汗)

ゆかさんへ

>ゆかさん
いつもコメントありがとうございます!!お返事遅れてごめんなさい!

> なまらうれしいですありがとうございますー!!

「なまら」って!!(笑)

少しでもお役に立てたならよかったです!!

> スッキリしました!
> なるほど、「科」は「専門」なんですね!
> 「科」=「プロフェッショナル」
> なるほど、それなら「麻酔医」だと嫌な方もいるでしょうね。
> そしてやはり、喉仏下の方の縞々が気管でしたか!
> や、よくよく考えると、首って結構な太さがありますが、首の骨自体は後ろ側ちょこっとだけじゃないですか。
> じゃあ、他は食道と気管と筋肉だとしたら触れるんじゃないか?と思って。
> 筋肉は首の前面にあんまりなかったはずだと一応本で確かめたんですけど、私のは絵を描くための本なので気管は載っておらず。
> 触って「これかな?」とは思ったんですが、それ以上探求すると召されると思ったので質問しました(^^;
> ありがとうございました!

おおお〜!!!超わかってくださったみたいですね!?嬉しいです♪

またなにか疑問があったら、ボクも勉強になるので、教えてくださいね〜!!

サクラさんへ

>サクラさん
いつもコメントありがとうございます!!

> 勉強になりました
> 喉触りながら、読み…咳も出ちゃぃました(笑)
> そこを押して息をはくとゼーってたまに音がするんですが普通なんですか?

それは多分押し過ぎです(笑)あんまり強く押さないでくださいね♪(笑)

> 前にマネキンに挿管やってみませんかと医師&看護体験型の皆さん、どうぞっていわれましたがさすがに隣の方が狙われました

やってみればよかったのに〜(笑)せっかくですから!!

> 外科の先生は 麻酔もできるんですか?

外科の先生も下半身麻酔や局所麻酔で手術をすることがありますよ☆

> オープンキャンパスに行ったときに何故か、その先生に顔と名前を覚えてました 私何かしたのかしら……

なにか目立つことをしたんですかね(笑)

ボクは結構学生さんの顔を覚えられないんですよ(汗)

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